能・狂言に魅せられて♪



〜福岡四大能楽部の鑑賞 など〜



天神de界わい能  2006/11/03(金)
天神de能  2006/10/31(木)
「錦木」Ver.京都学連  2006/07/13(木)
梅若友の会 能「山笠」  2006/07/03(月)




天神de界わい能
能「松風」

恋物語を描いた玄人の能を観賞するのは久しぶりでした。最近、勢いのある五番目ものばかりを見ていたので、自分の能に対するイメージを一気に引き戻してくれた、そんな気がしました。

松風、村雨の悲哀を描いた能「松風」を美しく語りかけようとする、演者全員の美意識が舞台から伝わってきたように思います。

中ノ舞では、いつもは意識が現実に戻ってしまいます。というのは、小鼓の手も舞の所作もすべて知っているので、おそらく脳の違う部分が働いて、ただの身体運動とでしか捉えられないからでしょう。
しかし今回の中ノ舞は、物語の一部として松風が舞う姿を見ることができたように思えます。

能の所作は、「風体」つまり自然体であるといわれます。能の構成は、必然であり、中ノ舞は松風の思いを表現した必然的な舞であるはずです。歌舞劇には脚本、台本があるのでそれらを自然に見せることは至難の業だと思います。恣意的になってはいけないのです。

風体と美意識を感じることのできた舞台でした。
Date: 2006/11/03(金) No.39


天神de能
◎もっこす
大濠で見てきました。
能「松風」。
よかったです。
美しかった。
あんな中之舞見たことありません。
隅々までシテの美意識が行き届いた、僕の中では完璧な舞でした(シテの先生には大変失礼な言い方ですが…)。
地謡も「日本一」六郎師の地頭の下ばっちり統率がとれていて、繊細な上におもしろく表現力豊かな謡でした。
このような繊細な曲を囃すのは至難の業なんでしょうが、シテの舞、シテと地謡の謡を囃子が絶妙に彩っていたと思います。
あそこまでいくとストーリーは曲の情緒を補完するものでしかないんですね。
ただただ美しさと「色」に魅了されました。
あまりに美しくて四回くらい落涙しそうになりました(危ない危ない・汗)。
能楽堂を出ると雲のない空に月が涼しげに浮かんでいて何とも風情のある秋の夜でした。

ところで、天神de能は今回が最終公演で、博多「楽」はこれをもって解散なんだそうです。
能楽部に入る前の大学一年のときから見てきた天神de能。
思えば最初に能っておもしろい!と思ったのは最初に見た天神de能でした。
演目は「土蜘」。
あの土蜘で僕は能の魅力に文字通り捕えられました。
最後のすばらしい公演に立ち会えてよかったです。
Date: 2006/10/31(木) No.38


「錦木」Ver.京都学連
JPです。
学生の会に参加すると、親身になって舞台を見ることができます。同じ境遇だからでしょうか。プロの会とはまた目線が違うんです。

今回で「錦木」は2回目となりました。新入生にとってはお馴染みの能になったのではないでしょうか。脇正から間近でみると、シテのかたの息遣いや汗が出ている様子、自分が面をつけて舞台に立ったときに感じた緊張感が伝わってきました。

さすがは上級生の地謡だけあって、迫力がありミスもほとんどなくこなしていました。お見事です。

ワキ方も学生が務めておられましたが、じっと無動を耐え抜かれていて、全体的にすばらしい舞台だったと思います。最後には出演者が全員登場し、観客に挨拶をしたところも、見習うところなのではと感じました。
Date: 2006/07/13(木) No.35


梅若友の会 能「山笠」
JPです。7月2日は朝からお日様が顔を出していたので、サッカーが終わったあとに自転車で大濠公園に行くことができました。
能「山笠」は今回で3度目の公演になりますが、観能は初めてでした。
その名のとおり、博多祇園山笠の追い山の様子や、櫛田神社の言い伝えなどを元にした新作能です。

前場、アイが「おっしょい!」という掛け声で登場。箱崎で汐を汲む場面。博多弁で話す演出は、狂言方によって違うのでしょうか?新作能らしい気風がありました。

シテとツレは博多の男たち。後ではスサノオノミコトと聖一国師として登場するこの男たち。祇園山笠の謂れを語り、曲が始まると、舞台の照明のせいか地謡のせいかは分かりませんが、その男たちが神聖化していく感じがしました。中入りに近づくにつれて、舞台の雰囲気が変わっていったように思います。序破急が、聞いて分かるほどはっきりしていたように思います。

中入り後は早笛の登場からスサノオノミコトの力強い舞と、疫神を退治するという構成。櫛田神社に一番流がはいり、大太鼓を鳴らすという演出を、囃子と地謡で、懇親の力で表現されていました。

新作能であるので新鮮な表現が多く、じっくり見るというより「劇」を見ているみたいでした。能は一期一会といいますが、新作能がどのように成長していくのかは、未知数だなと感じました。
Date: 2006/07/03(月) No.34



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