瀬山です。私も見に行きました。師匠の能。 夜勤明けで意識は朦朧とする中5000円払って観ましたよ。 学生のときは良かったなあ。で、感想。 「熊坂」 意識がとんでいたのでおぼろげにしか覚えてないです。 自分でも舞ったことがあるし、結構好きな演目なのに睡魔には 勝てなかった。 「止動方角」 これも最後の部分しか観てない。だから筋はよくわからなかったけど 吉住先生の馬がおもしろかった。 昔、狂言の稽古に行ってた時にこの先生にカレーをおごってもらったなあ とか思い出に浸りながら観てました。 「天鼓」 これはしっかり起きて観ました。天鼓を能で見るのは初めてかも。 今回は弄鼓之舞ということで楽が黄鐘(低い調子)から盤渉(高い調子)に変わって 舞も足拍子がややこしくなったり、作り物の前を通ったりといろいろ変化してました。 おもしろかったんだけど、なんか師匠の能は見すぎたせいか、天鼓にしてもその親父にしても師匠が舞ってるようにしか見えないのです。 装束の下、面の下の師匠が見えてしまうというか。 なので面白かったんだけれども、浸りきることは叶いませんでした。
ここからはマニアの話。 楽の前、「打ち鳴らすその声の」のところに打切が入って、笛は高音(オヒャーラー)ってのを吹きます。今回はその調子も楽に合わせて盤渉に上がってましたね。 この部分にはいろいろ薀蓄があります。本来この能の楽は盤渉にはしないというのが原則です。盤渉だと成仏できないというのがその理由。 しかし、呂水という湖の能であるということも強調したいということで、 楽は黄鐘のまま、この高音に盤渉を吹くという場合もあるそうです。これは折衷案。 成仏は無視して、水の能(盤渉は水を表します。黄鐘は火)および天鼓が鼓と戯れる様を重視したのがこの弄鼓之舞という小書になります。この場合はただ単純に舞に合わせて、高音も盤渉に上がるようです。 舞と今回の高音のようなアシライとの関係についてはいろいろあるのですが長くなるのでまた今度。
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