*--パンドラのつぶや記--*

両親の介護日記



施設への往診1回目  2007/10/08(月)
日曜日はたいへん  2007/10/07(日)
早期発見、早期治療  2007/10/05(金)
不穏って  2007/10/04(木)




施設への往診1回目
訪問診療をお願いしていた先生に、施設へも往診をお願いできることになり、今日が1回目の往診でした。

その時間より、1時間ほど早めに家を出て、洗面台の椅子とか、鏡とか、足りなかった家具を持って行きました。

ユニットに着いてみると、猫の縫いぐるみを抱きしめて、テレビを見ているみつこさんの姿が目に入りました。
今日は、皆さんが声を揃えて、「良くお話されてますよ」と聞かせて下さいました。
お風呂も午前中に入れてもらったそうです。これで2回目だそうで、ちゃんと規定どおりには入れてもらっていました。
抵抗があったという記録もないそうで、なんだ、ちゃんとやってるじゃない〜〜〜。

今日は祭日でも、平日シフトのようで、介護士さんの姿もたくさんありました。
昨日の鍵を開けて下さった介護士さんもみえたので、昨日のことを聞いてみました。
「どうして、鍵がかかっていたのでしょう?」とお尋ねすると、
あっけらかんと、「ご自分で中から、かけられたのでしょう。私たちは外からのかぎ掛けは禁止されていますから」と教えて下さいました。

そうでしたか、、、誤解してごめんなさい。
トイレも、うろうろしていれば、ちゃんと誘導してもらっているようでした。
今日は話す内容は昔のことらしく、よくわからないけれど、よく話、よく笑い、とても気分はハイで、何も心配いらないと感じました。

先生は飛び入りの往診が入ったとかで、1時間半ほど遅れて、来てくださいました。
みつこさんの様子には驚かれたようで、でも、「よい調子だね」と喜んで頂けました。
フェルガードのことも、「効果があると思う?」「だったら、続けてみようか」と勧めて下さいました。
薬に着いては、特養の看護師さんと、日頃の様子、薬の飲み具合などをお尋ねになりながら、セロクエルは現状のままで、睡眠剤をとんぷくとして服用できるよう出してもらうことになりました。

今まで、私と先生でお話してきた、そういう話を、これからは、看護師さんと先生とで相談してもらう事になり、私はお役を降りるのだなぁと、寂しいと言うか、安堵というか、複雑心中になりました。
でも、そういうふうに任せられる人ができたということは、何と言う幸せでしょう。
私は力を抜いて、みつこさんのことは、この施設にお任せしようという気持に今日はなれました。

今日、初めて、気持ちが楽になれた。
これからは、よしおさんのこともあるけど、よしおさんは、まだ、多少なりと自立しているから、少しは自分のことをしよう〜、そんな気持に初めてなることができました。

私のことを気遣って下さった皆様に、心から感謝したいと思っています。
Date: 2007/10/08(月)


日曜日はたいへん
施設の日曜日はたいへんそうです。

今朝は夫とふたり、10時過ぎに施設に着きました。
介護士さんの姿は見当たらず、入所者さんたちは、大勢ロビーに集まってきていました。

みつこさんの姿は見当たりません。
と、見ると、台所に介護士さんがひとりいらっしゃいました。
いつもだと、数人の姿があります。

そうか、日曜日は休日体制で、手薄なのね・・。
たいへんなんだ。
皆、朝ご飯を待っている状態だったようです。

みつこさんの部屋に行くと、鍵がかかっています。
自分で中からかけているのかしらと思いましたが、そうではないようで、
介護士さんに言いにいくと、鍵を持って開けに来てくれました。
「もう食事は済んだのかしら?」とお尋ねしただけなのに、
「まだです。順番にやってますから・・」と忙しくて、ご機嫌が悪そうです。

どうやら、昨晩何かあって、鍵をかけられているようでした。
でも、中に入ってみると、まだ、ぐーすー寝ていました。
揺すってみると、機嫌良く目を開いて、
「いつ、来たの?」だったか、何だか意味不明のことを言いました。
ズボンは着替えをせずに寝たみたいで、お昼のズボンでした。
パンツがぱんぱんみたいなので、起きたがらないのを無理やり起して、穿き替えさせました。
念の為と思って、バスタオルを敷いて穿き替えたら、やはり、便がついていました。

後で介護士さんにお聞きしたら、昨晩排便があって、たいへんだったようです。
まだ、トイレ介助、お風呂の介助がなかなかできず、パンツ交換もできていないみたいでした。
お風呂も一度も入れてもらっていません。
お尻をきれいにしてもらおうと思ったのですが、蒸しタオルを持って来て下さったけれど、みつこさんが嫌がるので、タイミングを逸して、結局できずに終わりました。

少ない人数で、皆さんを看ているので、みつこさんひとりに関わっていることもできず、拒否すると、そのままで放置されているようです。

特に今日は拒否が多く、起き上がるのも拒否、食事もいらない、トイレも行かないと嫌嫌づくしでした。

それでも、側にいて、なだめて、食事も側まで持っていけば、まあまあ食べる事ができました。
ひとりで置いておかれたら、食べないのだろうなと思いました。
最後には、私にも「早く帰れ」と言い出だしました。

何故、鍵がかけてあったのか、詳しい理由をお聞きしようと思ったのに、あまりの忙しさにお話する時がなく、みつこさんの朝ご飯介助だけ済ませて帰ってきました。

介護士さんたちに、みつこさんに慣れてもらうことが大切だと言われてきましたが、それまで、私に我慢ができるかしら・・・。

閉じ込めて、4月のショートステイの二の舞はしたくないから。。。
Date: 2007/10/07(日)


早期発見、早期治療
今現在では、認知症の一番の治療法は、早期発見、早期治療に尽きるとよく言われます。

アルツハイマー型認知症では、脳の海馬の萎縮、様々な症状の出現の30年くらい前から、脳の中に老人斑ができるという、外からは全く分からない状態で、前アルツハイマー状態のようなものが出現するのだそうです。

とすると、みつこさんの場合、2005年に診断され、その1〜2年くらい前から、おかしいと回りが感じ始め、実際1999年のうつ病と言われた時には、すでに脳のわずかな萎縮を指摘されているので、この時にはアルツハイマー型認知症を発症していたと言えるのかもしれません。

1999年の時点で、大学病院の精神科を受診し、精密検査も受けていながら、認知症についてのはっきりとした診断を聞いていなかったことは、今思うと、とても残念です。

先生は曖昧におっしゃったのですが、その段階では、はっきりとしたうつ状態が出ていたので、それを抑えることだけに集中していました。
2004年からは、アリセプトを飲みはじめていながら、私にアルツハイマーという認識がなかったため、服薬を本人の言うまま、任せてしまい、結果としてほとんど飲めていないということになり、この1年で、みるみる変になっていきました。

その後は、はっきりとした診断を受け、その気できっちり服薬しましたが、既に、アルツハイマーとしては中期にかかっていて、進行を抑えることは難しくなってしまいました。

今、反省を込めて、どうしてこうなったのかなと思い巡らしてみますと、せっかく、早期発見していながら、早期治療に至らなかったことは、ひとつには認知症の専門医にかかっていなかったことです。

大学病院の精神科なのだから、認知症ならば認知症だと教えてもらえるはずだと信じていました。
「うつが出ていますから、まずはこれを治しましょう。」と確かそんなふうに言われました。
「(アルツハイマーの初期かもしれないけれど)80までは大丈夫。」とも言われました。
この時も長谷川式のテストを受けていましたが、図形模写以外は全部できていました。
でも、この、図形が書けないという事こそ、認知症の診断の要になるものなのですよね。その当時はそんなことも知りませんでした。

この、大学病院で、物忘れ外来ができたのは、ちょうどみつこさんが確定診断を受けた頃でした。

認知症の早期発見、早期治療のためには、必ず、認知症専門の外来を受診すべきだと、今なら声を大にして言いたいと思います。
「物忘れ外来」とか、「老年科」とか、いろいろな名前があるようですが、要するに認知症の外来です。

みつこさんの場合は、発見していながらも、うまく治療に結びつかず、進行を抑えていくことができませんでした。
今は、周辺症状を抑え、少しでも回りが楽に、本人も穏やかに過せるようにと考えています。
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早期発見をしたくても、受診することが様々な理由で困難だったり、チャンスを逃したりということもあります。

よしおさんの場合がそれです。

ドクターコウノのブログだったか、どこだったか忘れましたが、受診が出来なくて(本人の拒否とか、周りの人の事情とか)困っている人へ、「家族の本気があれば、絶対受診できる。」と書いてありました。

確かにそういう部分もあるかもしれません。
よしおさんを受診させたいと思ってはいるけれど、自分がどこまで本気なのかはわからない。
「もうじき89歳なのだから、はたが困らなければもういいや」って気持ちが無いわけではない。。。。。

一時、物取られ妄想が激しくなって、暴力的になり、困惑しましたが、今は一時的にしろ、落ち着いている。
物忘れの激しさなどから、認知症であることはわかっているけれど、進行は緩やかで、みつこさんとは全然違うので、3大認知症と言われるものにはあてはまっていない(アルツハイマーの初期と言う事は有り得るけど)と思われることなどが、私に何が何でもと言う気を起させないのだろうと思う。

でも、今の状態から、進行を食い止められるのであれば、それはすべきなのだろうと思うので、いつか、近い将来、みつこさんの先生に相談したいと思っています。
Date: 2007/10/05(金)


不穏って
3回目の面会に今朝も同じような時間に出かけました。
が、今朝はロビーにみつこさんの姿がありません。
面会票を書いていると、介護士さんが教えて下さいました。
「夕べもご活躍で、今朝はまだ朝ご飯もとってみえないし、着替えも何もしてないのですよ。」

お部屋に入ってみると、気持ちよさげに眠っています。
いつもみたいに「みつこさん、朝ですよ。起きて」って声をかけてみると、寝ぼけ眼で、こちらを見ています。
起きる気配なかったけど、頭を持って起して、「着替えようか」と声かけると、その気になってくれました。
パジャマのズボンはベッドの端にたたんで置いてありました。
パンツはちゃんと穿いていてくれました。
介護士さんが食前薬を用意してくれている間に、おパンツ交換をしました。
パンツの場所がわからないし、種類がわからない・・・で、適当に持ってきて穿き替えてもらったら、どうも違う種類だったようです。
介護士さんがお薬を持って来て下さって、ついでにパンツも再度穿きかえさせて下さいました。

抵抗は全くありませんでした。

ご飯に出て行く前に、トイレに誘ってみると、それも大丈夫、介助させてくれました。

10時過ぎの朝ご飯になりましたが、みつこさんが食べている間に、生活記録を見せて頂きました。
だんだん、夜の活動が盛んになってきました。
昨晩は他の方のお部屋を大分散策したようでした。
自分の部屋の中でも、ごそごそあちこちを覗いてまわっているようでした。
外履きの靴がベッドの上にありました。
ファンシーケースの中にしまっておいた旅行カバンが外へ出してありました。
それに、トイレ介助の介護士さんにかなり抵抗して、「噛みつき」の文字もありました。

なのに、朝会った看護師さんの口からは、不穏の不の字もありませんでした。
お薬の量(セロクエル)の増減をお願いしているのですが、「眠れないものの、不穏はないので、増やしていません。」とおっしゃっていました。
「眠気も催す薬なので、寝る前を増やしてみて下さい。」とお願いしたのですが、不穏がないどころか、かなりなものなのではないかと感じたのですが、、、、看護師さんに伝わっていないのか、感じ方の違いなのか、不穏ってどういう状態?って思いました。

看護師さんは夜勤がないので、介護士さんから、上手く伝わっていないのか、あるいは、夫いわく、「特養では、そのくらいは不穏とは思っていないのでは・・」

夜中にごそごそする。眠らない。介助しようとする人をたたく、噛みつく・・・は、セロクエルを増量するのに充分の理由だと、私は思っているし、ほっておいて良い状態ではないと思うので、薬で対処してもらおうと思っています。

食事中も、前の席のおばあさんが「眼つけた」と言って、怒っていました。
これも、不穏の前兆みたいなものです。
目線が合うと怒るという、何だかおサルみたいですけど、イライラしている証拠です。

それから、今日は編物ボランティアさんがいらしていて、毛糸のモチーフ編みをしました。
みつこさんも誘って、一緒に座りました。
みつこさんを入れて4人のおばあさんたちと、私と、ボランティアさん2人です。

今日はみつこさんの82回目のお誕生日でしたので、可愛いお菓子を買って持って行きました。
それを、そのテーブルの方たちと一緒に分けて頂きました。
皆さんが、「おめでとうございます。」と言って下さった時には、みつこさん、頭を下げて、「ありがとうございます」と応えていました。

ボランティアさんも「3日目でこの状態なら、上出来よ」と言って下さいましたが、やはり、特養ならではのような気がします。

兎も角、介護士さんの間で、みつこさんについて、検討会を開いて下さるそうです。
みつこさんにとっては、全く未知の世界で、混乱、戸惑い、怒り、、、は充分想像できるところですが、介護士さんたちにとっても、みつこさんは未知の存在。
どう介護していくのがよいのかは、試行錯誤して頂くしかないのかもしれません。
何とか、こじれないうちに良い方法が見つかりますように。
Date: 2007/10/04(木)



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