手塚治虫先生が亡くなられてから今年で20周年ということで、NHKをはじめ、いろんなTV局で特集が組まれているみたいですね。
●手塚治虫2009 http://www.nhk.or.jp/tezuka/
20年かあ…思い出すなあ、 学校から帰ってきて、天ぷらを揚げていた母親に、 「ちょっとあんた!手塚治虫が死んだよ!!」 と言われて、制服のままトイレで泣いたことを(笑)
そのずっと前から漫画家になりたいと言っていたし、物心ついてからずっと手塚作品が好きで私が一番尊敬する漫画家は手塚先生と親は知っていたもので… しかし言い方に容赦が無いな、母よ(笑)↑
その何年か後、石ノ森章太郎先生が亡くなられた時に、 「プロになったら、石ノ森先生に自分の漫画を読んでもらうのが夢だったのに、その目標が無くなってしまった」 と知り合いの作家さんが嘆いていたのですが、私にとっては手塚先生がそうでした。 いや、なんて大それたことを〜てな感じですが、お会いしたいとか、存在を認めてもらいたいとか、褒めてもらいたいとかそんなんじゃなくて、同じ時に漫画を描いているという、繫がりみたいなものが欲しかったんだと思います。 手塚先生が生きてらっしゃる、というのが漫画家を目指す気持の支えになっていたんですね。
でまあ、奇跡的にどマイナーながら漫画と絵のお仕事をさせて頂けるようになった今日この頃、いつまでお仕事を頂くことができるかしら…とか、そんなことは横に置きつつ。 うちのアシさんの一人がぴっちぴちの21歳で手塚作品が好きだと言うのですが、 「自分が手塚先生を知った時にはもう亡くなっていて、どんな人かも知らないし、雲の上の人で…」 と。 いや、私も想像とメディアを通じての手塚先生しか知らないし、もちろん雲の上の人なんですけど、今またTVでいろいろ特集を組んでもらえるのがありがたいなーと思いまして。 「漫画」というものの原点を見つめ直したり、知ったりするいい機会だなと。 もちろん漫画を描く「理由」というのは人それぞれで、いろいろあっていいですし、時代の流れがあってその時その時に合った描き方をする必要もあるのですが、とにかく原点を知るということで。
とりあえず今日は、「紙の砦」の解説で泣いてしまいました。 つか、どの作品も泣けてしまうんですが。 本で読んだ時にも思ったのですが、あれは戦争を体験した人でないと描けないし、平均睡眠時間が2時間、700タイトルもの作品を描き続けたという手塚先生の情熱と執念がどこから来るのか、というのが分かる作品かと思います。 漫画家を目指す人や、戦争を知らない人達(当然自分も含む)には、一度読んでもらいたいなあ。
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Date: 2009/02/09(月)
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