ミヒャエル・エンデ=著 川西芙沙=訳 / 岩波書店
一杯飲むごとにひとつ願い事を言うと、その願いは100%かなう。ただし、一気に飲んで、願い事は声に出して言う、それが条件だ。
大晦日にしか効かない、そして願ったことがすべて逆にかなう(例えば、健康を願うと疫病が流行るといった具合)魔法のカクテルをめぐって繰り広げられる魔法枢密顧問官のイルヴィツァーと伯母の金魔女(かねまじょ)ティラニアの知力体力を駆使した争奪戦と、地球の危機を救わんとする牡猫のマウリツィオと不吉ガラスのヤーコプ。 タイムリミットは数時間!はたして2匹は世界を救うことができるのか・・・!?
エンデの作品はそのストーリーの破天荒さと緻密さが最大の魅力だと思う。 読みながら、何度「よく、こんな話思いつくよなー」と驚いたことか。 そして、作品全体に優しさと厳しさが詰まっていると思う。 この物語も、環境破壊や戦争などの重い話も盛り込みつつ、魔法使いのイルヴィツァーとティラニアが地獄の魔王と契約を結んでいて、地球に悪をはびこらせる仕事の納期に追われ慌てふためく、という設定のユーモアに笑わされます。 各章のタイトルが時計で書かれているのも、ドキドキ感がさらに増し、とても面白い。
もうだめだ・・・と思っても、最後まであきらめないで下さい。 最後まで希望を持ち続け、あきらめなかったものに幸せは訪れるのです。 そして、何より 「終わりよければ、すべてよし。」
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Date: 2005/04/28(木)
No.3
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