*-- 読書感想文 --*

私は旅をする、本という名の世界のなかを・・・。



coffee break  2005/05/13(金)
ミカ×ミカ!  2005/05/11(水)
おばけ桃の冒険  2005/05/11(水)
歌う木  2005/05/07(土)




coffee break
ちょっと休憩して、読書感想文以外のお話でも・・・。

私にとって、「本を読む」ってどういう事なのかなーと、ちょっと考えてみた。
本を読むのは面白い。
ちょっと時間の空いたときに手軽に読める。
図書館などで借りれば、タダでいくらでも読める。便利。
確かにそれもあるけど、まだ違う何かがある。

−旅。
本を読むのって、旅をしているのと似ていると思う。
現実と空想の世界を自由に旅できる、旅行切符のようなものだ。
まだ見たことのない、いろんな世界や、動物、人々に出会える旅。
そこで出会ったいろんなものと私は友達になれる。

私は、本の世界を旅する旅人。

そう思いながら本を読むのも、また面白い。
Date: 2005/05/13(金) No.11


ミカ×ミカ!

伊藤たかみ=著 / 理論社

「オトコオンナ」と呼ばれる勝気なミカと、おとなしめの双子の兄ユウスケの、傍から見れば子供っぽくて可愛い中学生の恋と友情と学校生活だけど、当の本人達にとっては、とっても真剣で忙しくて楽しくて苦しい日々を書いた作品。

前作「ミカ!」では、小学生だったミカとユウスケ兄妹も、本作では中学生に成長しました。
うーん、でも、基本的にあんまり変わってないかも。この子たち。笑
あいかわらず、ミカは運動神経バツグンでケンカも強くて男の子みたいだし、ユウスケはそんなミカに振り回され気味の毎日。

そんな中でも、ミカは同級生の男の子に恋心を抱くようになるし、ユウスケにも恋の始まりの予感が・・・そして離婚して独り身になったお父さんにも新しい恋が生まれていきます。
家族それぞれが、だんだんと幸せに向かって歩んでいこうとしているようです。

私自身の中学生生活は、すごく子供っぽかったんで、こんな“好きだの付き合うの”なんて、そんなこと全くといっていいほどなかったですね。(キッパリ)
でも、なんだかむやみやたらに一生懸命っていうか、全力投球で毎日を過ごしていたっていうのは似てるかも。
高校生くらいになると、もっと「テキトーでいいんじゃん」みたいな楽な方に流されがちな思考になってきましたが、中学生の頃はもっとガムシャラに生きていたような気がします。
(それから数十年経った現在は、さらに脱力感いっぱいの生き様になりました。)

本の中で、ユウスケの担任の先生が、HRでこう生徒に語りかけます。
「平等、平等ってみんな言うやろ?でもほんまに平等なんは、時間だけやわな。大金持ちでもお金ない人も、一日は二十四時間って決まってる。ミュージシャンかって学校の先生かって、男も女も、一日は二十四時間やで。人から借りることはできん。買うことも売ることもできん。せやからみんな、自分の時間を、くいのないように使わんとあかんで。」

確かに誰もが皆、平等に同じだけ二十四時間を持っている。多く持つ人も、少ない人もいない。
あたりまえのことだけど、そんな風に考えたことなかった。
私も、私の二十四時間をくいのないように使わないといけないなー。
Date: 2005/05/11(水) No.10


おばけ桃の冒険

ロアルド・ダール=著 田村隆一=訳 / 評論社

ジェームス・ヘンリー・トロッターは、4歳のときに両親を動物園から逃げ出したサイに食べられて亡くしてしまいます。
そして、意地の悪い2人のおばさんに引き取られたジェームスは、遊ぶことも許されず、毎日家の手伝いばかりをさせられることに。
そんなある日、ジェームスは不思議な老人からもらった魔法の粒を、うっかり庭の桃の木の根元に落っことしてしまいます。
せっかく嫌なおばさんから逃れられると思っていたのに、と悲しむジェームス。
ところが、桃の木に1つの実がなったと思ったら、ぐんぐんぐんぐん大きく育って・・・。

おばけ桃と一緒に愉快で楽しい冒険をする話だろう、と思って読んでみれば、旅の始まりから終わりまで試練の連続で、かなりハラハラしました。
ジェームスの知恵や機転と仲間達の協力で、次から次へと降りかかってくる災難をかわしていく様子は、単なる子供向けの甘ったるいのんきな冒険談とは違っていて読み応えがあります。

もちろん最後はハッピーエンドですが、私はこの展開はまったく想像できませんでした。(想像力が乏しいからか?笑)
え〜、そういうオチなの!!と驚き、そして大いに笑って下さい。

これから桃を食べる時は、このお話を思い出しそうだな〜。
Date: 2005/05/11(水) No.9


歌う木
ケイト・セレディ=著 松本恵子=訳 / 福音館書店

大人も子供も、たくさんの人に読んでもらいたい一冊です。

ハンガリーの田舎町で農業をしながら明るくつつましい生活しているジャンクシィ一家に、戦争の暗い影が落ちてきます。ジャンクシィの父親も出兵し、幸せだった田舎町の生活にもしだいに変化が訪れてきます・・・。

戦争は辛く悲しいものです。
国同士が敵味方に分かれて争っていても、そこに暮らし、生活している人たち、一人ひとりに敵も味方もあるのでしょうか?そこにあるのはみんな同じ、家族を失い悲しみにくれる人々でしかないのではないでしょうか?

敵国ロシアの捕虜を自分の農場に雇い入れたジャンクシィの母親はこう言います。
「あの人たちだって、私達と同じ人間です。もし私達が親切にしてあげたら、あの人たちは私達が親切だという事を、(手紙で)家へ書いてやるかも知れないわ。そうすると、ロシアの女の人が自分の夫や息子に−あの人たちだって、私達と同じ罪の無い人間なのだから、鉄砲を向ける時に、あまり狙いをよくしないでおくれ−と言うかも知れない」

物語の終盤には、ジャンクシィの父親が戦場で見た、焼け野原に一本だけ生き残ったりんごの木に、敵も味方も関係なく羽を休めて休息を取る、さまざまな種類の鳥たちの姿、「歌う木」の話が登場します。
「−その鳥たちは、やがて飛び去ってしまうだろうが、また新しいのが来るかも知れない。また嵐があるかも知れない。だが、すべてのものの母なる木は、いつまでも変わりなくそこにある−。」


人は苦しみを乗り越える勇気を、悲しみを喜びに変える力を持っている。
生きてさえいれば・・・。
Date: 2005/05/07(土) No.8



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