能・狂言に魅せられて♪



〜福岡四大能楽部の鑑賞 など〜



演者雑感その2  2005/11/01(火)
夢能花狂言  2005/10/31(月)
天神ゆめ能はな狂言  2005/10/30(日)
演者雑感その1  2005/10/26(水)




演者雑感その2
まだまだ笛方です。今回は一噌流と藤田流まとめて。
囃子体系に出てない人もいたりしますが、まあ気にすんな。

藤田大五郎…笛の神様です。人間国宝。まじで宝。昔の写真とか映像とか見るとすごくがっちりした体格なのに、そこから発せられる音色のなんと優美なこと。そして天性のノリの良さ。キラキラコロコロして弾むんですよ、音が。もう90歳近いのにいまだ現役。しかも第一線で活躍してる。九州の笛方楢崎先生の師匠に当たります。この方の笛を聴いた時、たくましくなければ美しい笛は吹けないんじゃないかと思って筋トレを始めた覚えがあります。三日でやめたけど。おすすめは音取置鼓。とりあえず聴くべし。浸れます。

一噌幸政…故人です。能だけに限らず幅広いジャンルで活躍中の一噌幸弘師のお父さんになります。藤田大五郎師が育てた「一噌の三羽烏」の一人。別にユニット名とかじゃないですよ。なんかこの方の笛は太いね。師匠より太い感じがする。ソーセージみたいな感じ。いい意味で。残念ながら病を患い、昨年12月お亡くなりになりました。盤渉楽がお勧めかな。

一噌庸二…一噌流の現家元です。花の会などでおなじみの一噌隆之師のお父さんです。素朴な笛です。ひたすらまっすぐ。おすすめ、といえるほどあまり聴いてないのでなんとも言い難いですが、大ベシなんていいんじゃないでしょうか。まっすぐでゆったりとして。

一噌仙幸…上の二人と合わせて三羽烏です。読めない人も多いかと思いますが、「ひさゆき」と読みます。「せんこう」って言う人もいますけど。大五郎師のポエミィというかリリックというか、あの繊細な感じはこの方に一番強く受け継がれたのではないでしょうか。CDなどの録音は道成寺くらいしかないんですが、今度朱夏の会(白坂信行先生の会)に出演されます。生を聴きなさい。あと、一の会(飯田清一先生の素人会・毎年平日にある・困った・でも豪華)でもたくさん聴けるはず。そういえばもっこすとJPが観た山姥の笛もこの方だったはず。行きたかった。

藤田六郎兵衛…今の藤田六郎兵衛師の確かおじいさんに当たる人です。でも先代。藤田家には「萬歳楽」って笛があって代々受け継ぐそうです。欲しい。おすすめの曲は、といっても録音が4曲くらいしかないのです。今の藤田六郎兵衛師と演奏を比べてみるとおもしろいかも。

なんか笛方だけで書きすぎた。他の囃子方は分量少な目にします。

追記…道成寺の録音は一噌仙幸師じゃなくて幸政師でした。勘違い。
Date: 2005/11/01(火) No.9


夢能花狂言
瀬山です。私も見に行きました。師匠の能。
夜勤明けで意識は朦朧とする中5000円払って観ましたよ。
学生のときは良かったなあ。で、感想。
「熊坂」
意識がとんでいたのでおぼろげにしか覚えてないです。
自分でも舞ったことがあるし、結構好きな演目なのに睡魔には
勝てなかった。
「止動方角」
これも最後の部分しか観てない。だから筋はよくわからなかったけど
吉住先生の馬がおもしろかった。
昔、狂言の稽古に行ってた時にこの先生にカレーをおごってもらったなあ
とか思い出に浸りながら観てました。
「天鼓」
これはしっかり起きて観ました。天鼓を能で見るのは初めてかも。
今回は弄鼓之舞ということで楽が黄鐘(低い調子)から盤渉(高い調子)に変わって
舞も足拍子がややこしくなったり、作り物の前を通ったりといろいろ変化してました。
おもしろかったんだけど、なんか師匠の能は見すぎたせいか、天鼓にしてもその親父にしても師匠が舞ってるようにしか見えないのです。
装束の下、面の下の師匠が見えてしまうというか。
なので面白かったんだけれども、浸りきることは叶いませんでした。

ここからはマニアの話。
楽の前、「打ち鳴らすその声の」のところに打切が入って、笛は高音(オヒャーラー)ってのを吹きます。今回はその調子も楽に合わせて盤渉に上がってましたね。
この部分にはいろいろ薀蓄があります。本来この能の楽は盤渉にはしないというのが原則です。盤渉だと成仏できないというのがその理由。
しかし、呂水という湖の能であるということも強調したいということで、
楽は黄鐘のまま、この高音に盤渉を吹くという場合もあるそうです。これは折衷案。
成仏は無視して、水の能(盤渉は水を表します。黄鐘は火)および天鼓が鼓と戯れる様を重視したのがこの弄鼓之舞という小書になります。この場合はただ単純に舞に合わせて、高音も盤渉に上がるようです。
舞と今回の高音のようなアシライとの関係についてはいろいろあるのですが長くなるのでまた今度。
Date: 2005/10/31(月) No.14


天神ゆめ能はな狂言
もっこすです。
きのうは天神の西鉄ホールで師匠の能公演でした。

【番組】
対談
舞囃子「熊坂」
狂言「止動方角」
能「天鼓-弄鼓之舞」

第一部も第二部も観させていただいたんですが、対談は内容が若干変わっていておもしろかったです。
原則的に第一部はなかったものとするんですね。
舞囃子も中身が変わっていました。
たぶん狂言と能も第一部と第二部では違っていたのではないでしょうか。
僕は今ちょうど「船弁慶」のキリを稽古していることもあって「熊坂」は大変興味深く観させていただきました。
僕もあのような「ぷるんっ」とした長刀さばきを身に付けたいものです。
ところで、熊坂の舞は格好良くて勇ましいんですが、結局牛若丸に切られてしまうんですよね。
つまり敗者。
それに気付いたとき、複式夢幻能形式の曲目がいくつか思い浮かび、能の視点の優しさというか無常さみたいなものがしみじみと感じられました。
これには目頭が熱くなりましたね。
これも舞と謡の卓越した技術があればこそです。
また一歩能にのめり込んだ気がします。
「止動方角」は、個人的には主が落馬した後の太郎冠者の仕草とセリフが好きです。
「天鼓」は、曲趣そのものが好きで、楽の最後辺りで天鼓が鼓を打った後、頭を振るところとか、鼓に再会できたうれしさをからだ全体で表現しているようで、その健気さにぐっときます。
ただ、玉に瑕なのが照明です。
仮にも管弦講が催されているのは夜なのですから、あのギラギラとした照明は何とも興醒めです。
それに幽霊であるはずの天鼓があのような明るいところに現れるとどことなく間抜けな感じがします。
しかしこれは会の趣旨や会場の設備等、いろいろな問題がからんできますから難しいです。
いつかもっと良い環境で天鼓と再会したいです。
でも、フォローするわけではありませんが、あの舞台の音響は結構いいなあと思いました。
囃子の音や足拍子がよく響いていましたから。
えー、要約すると、やっぱホール能は難しいです。
Date: 2005/10/30(日) No.11


演者雑感その1
掲示板よりこちらに移ってきました。
ほそぼそと更新します。
能楽囃子体系に出てる人の解説です。
敬称略で失礼します。
〜笛〜
とりあえず笛方から。
<森田流>
杉市太郎…現在京都を中心に活躍中の杉市和師の確かおじいさんにあたります。故人になります。このレコードが録音された時代で既に長老格なのでほとばしるような勢いは感じられませんが、翁さびた音色を聴くことができます。豊後下り端がおすすめ。

寺井政数…東京の寺井政数家の当主だった方です。(東京には寺井が二つあるのです。)故人です。独特の音色です。森田流は新幹線の停車駅ごとに吹き方が違うと言われますが、ここまで違うとびっくりです。別のCDに中谷明師という笛方が出演されていますが、この方の師匠に当たります。ほんと独特。蛇使いの笛みたいなイメージ。でもそれが魅力。おすすめは三番三の鈴の段。

田中一次…現在東京を中心に活躍中の松田弘之師の師匠になります。個人的に一番好きな笛方です。おすすめは惣神楽。恋之音取とか烏手といったアシライ物も素晴らしいのですが、この惣神楽の終盤にかけてのヒートアップはすごいものがあります。僕はこれを聴いた後、走ってカラオケまで言って惣神楽を吹きました。

森田流で力尽きました。続きはまた後日。
Date: 2005/10/26(水) No.8



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